農地の売却も不動産会社に依頼できる?売るときの条件や流れをご紹介

公開日:2022/02/15  最終更新日:2022/03/01

高齢で農業を引退する、農地を相続したけれど農業をする予定がないとった理由で農地の売却を検討している人も多いのではないでしょうか。農地の売却には通常の不動産の売却とは異なる手続きがあり、専門的な知識が必要です。この記事では、農地売却の条件や方法について解説しているので、農地売却を検討している人はぜひ参考にしてください。

難しい農地売却の条件

農地を売却したい人は近年増えています。しかし農地の売却は、農地法による厳しい条件が設けられていて、なかなか難しいのが現状です。所有者が農業をしていない荒れ果てた耕作放棄地がかなりの面積に及び、日本全国で問題になっていますが、裏を返せばそれだけ農地が売りにくいということなのです。

農家や農業参入者しか購入できない

農地をそのまま売却する場合、誰にでも売れるわけではありません。農地の用途は耕作と定められているため、購入できるのは農家や農業参入者に限られています。また、農地を売却するには農業委員会の許可が必要で、申請をせずに売買をすると無効になってしまう場合があります。

市街地から遠い農地ほど売れない

都市部を離れて郊外に行くほど農地は増えますが、売却に有利なのは市街地に近い農地です。市街地に近いほど、住宅を建てる需要があるためです。

農地に住宅を建てられるようにするには、地目を農地から宅地に変更する手続きが必要です。農業委員会の許可を得て、地目変更をすることで、農地だった土地を住宅の候補地として検討してもらえるようになります。

農地転用すれば売りやすい

地目を農地から宅地に変更すると、比較的売りやすくなります。この農地転用には、農地法が定める立地基準と一般基準という2つの基準をクリアする必要があります

立地基準では所有する農地が、市街化区域、市街化調整区域、非線引き区域のうちどの都市計画区域に当てはまっているかで手続きや農地転用の難易度が変わってきます。一般基準では、転用目的が達成可能か、周辺の営農に悪影響を及ぼさないか等が判断されます。

さまざまな基準項目があり、転用目的が確実に達成される見込みがなければ農地転用を認められない可能性が高いのです。

農地を売却する方法

農地を売却するには、「農地をそのまま売却する方法」と「農地を転用して売却する方法」の2つがあります。

農地をそのまま売却する方法

農地をそのまま売却する場合、買い手も農地として利用することが前提となり、購入者は農家や農業参入者に限定されます。そのため買い手が減少し、土地の価格は低くなる傾向にあります。

農地の場所や広さといった条件にもよりますが、需要よりも供給が上回っているのが現状です。不動産会社にとっても、取引価格が低い農地は仲介手数料が安くなるため難色を示されることも多く、なかなか売却は難しいと覚悟しておく必要があるでしょう。

農地を転用して売却する方法

農地転用を行うと、売却後の用途が農地に限定されないため、購入者の幅が広がります。農地を転用するには、前述のように立地基準と一般基準の2つの基準をクリアしなければなりません。

まずは所有している農地がどの都市計画区域に当てはまるか確認しましょう。不明な場合は市区町村役場で確認できます。区域によっては転用できない場合もあるため注意が必要です。

立地基準を満たしていても、転用の申請目的を確認し、実現可能性を審査する基準である一般基準をクリアしなければ許可は下りません。なかなか厳しい審査となっているため、農地売却に強い不動産会社に代理で申請してもらうことがおすすめです。

農地売却の流れとは

実際に農地を売却する流れを見ていきましょう。まずは買主を見つける必要があります。近所の農家等が買い取ってくれれば助かるのですが、自分で見つけるのが難しい場合は仲介してくれる会社に依頼しましょう。

農地売買の場合は一般の宅地とは異なり、農業委員会の許可が必要となるため、各市町村役場で申請を行います。買主が見つかったら、許可が下りることを前提として申請前に売買契約を結びます。なんらかの理由で許可が下りなかった場合には、契約は解除となります。無事に許可が下りたら、代金を受取り、土地の引渡し、所有権移転登記を済ませて農地売却が完了となります。

農地転用をして売却する場合も、基本的には同じ流れですが、転用許可申請が必要になります。この際、農地売却に強い不動産会社に依頼することが重要です。知識や経験の差で、申請の通りやすさが変わってくるためです。

 

農地の売却は、一般の宅地とは異なり、農地法によるさまざまな条件があり非常に複雑です。知識のない状態で調べながら進めるのはとても大変なことでしょう。まずは、農地売買を得意とする経験豊富な不動産会社を見つけることが重要です。難しい条件のある農地売買ですが、ぜひ信頼できる会社を見つけて納得のいく取引を成功させてください。

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