不動産相続に必要な手続きやよくある質問

公開日:2022/01/15  最終更新日:2022/01/17

突然相続のタイミングがやって来た時、みなさん何から始めてよいか困ってしまうのではないでしょうか。あまり頻繁に話題にするテーマでもないだけに、詳しくご存知ない方は多いと思います。今回は、不動産相続について詳しく見ていきましょう。知識を入れておけば、いざという時にも冷静に対応できますよ。

相続する際すぐやるべきこととは?

さて、不動産を相続することになったら、すぐにやるべきことがいくつかあります。緊急度の高いものから見ていきましょう。

1番始めにやるべきは、死亡届の提出です。これは亡くなってから7日以内に役所に出さなければいけないため、最優先事項といえます。

その次は、遺言書を探すことが大切です。生前から預かっていた、保管場所を知らされていた場合には焦らなくて大丈夫ですが、周りの誰も遺言書の存在を知らないのであれば、早めに捜索を始めるとよいでしょう。

遺言書は大きな力を持っています。相続人間で相続内容を話し合った後、仮に遺言書が出てきたら、それまでの話し合いは無に帰します。親族内でのトラブルにもなりかねませんので、遺言書はしっかり探しておきましょう。

ちなみに、遺言書を見つけても開封してはいけません。家庭裁判所で、検認という中身を確認する手続きを踏まなければならないからです。遺言書の捏造を防ぐための大事な手続きですので、うっかり開けずにそのまま家庭裁判所に提出しましょう。

このほか、故人の戸籍謄本取得も早めにやっておかなければなりません。というのも、生まれた時から亡くなるまでのすべての戸籍謄本が必要となるのです。

生涯で引っ越しをたくさんしていた方だと、複数の役所に問い合わせをすることになります。近くの自治体でない場合、書類の取り寄せに時間がかかることもありますので、早いうちに始めておくと安全です。

早めに確認すべき事項

すぐにやるべきことが済んだら、相続の内容について確認していきます。もし遺言書が用意されていたのならそれに従えばOKですが、遺言書がなかった場合には、遺産の内容をまずチェックしなければなりません。故人が持っていた不動産や貯金、借金などを確認し、それをどう分割するか相続人同士で話し合っていくという流れです。

不動産を分割するのであれば、方法は複数あります。たとえば、すべて売却してお金にしてから分割する方法もありますし、不動産は1人がもらって、他の人はそれと同等の現金をもらうという方法も取れます。

もちろん不動産が複数あって、現物で分割するというパターンも大丈夫です。これら以外だと、相続人の共有財産として不動産を持っておくこともできます。

いざ不動産を相続するとなったら、名義変更が必要です。この作業には、たくさんの書類が求められます。相続人全員の戸籍謄本、住民票、印鑑証明、それから不動産の証明書などなどです。不動産を協議して分割したケースでは、どのように分割したか記す遺産分割協議書も提出が求められます。

ここで問題なのは、不動産の相続はいつまででも待ってくれるわけではないということです。申告できるタイムリミットがありますので、適宜プロに聞きながら進めていくことをおすすめします。

不動産を相続するにあたって注意すべきこと

では最後に、不動産を相続する時に気を付けなければならないことをお教えします。みなさん気になるのは、相続税の額ではないでしょうか。2015年に相続税法が改正となってから、相続税課税対象者も範囲が広がりました。控除や特例の制度もありますが、不動産の価値によっては、多額の相続税を払わなければいけないこともあります。

また、相続税の支払いは、被相続人が亡くなってから10か月以内に手続きしなければいけないという決まりもあります。遅滞なく、スムーズに申告するためにも、税理士さんにお願いするのがおすすめです。

その中でも、相続税に詳しい税理士さんを探すようにします。税理士さんもそれぞれの専門分野があり、相続の専門でない人が担当した場合、余計な相続税がかかってしまうこともあるからです。

また、相続税以外にもかかってくる税があります。たとえば、登録免許税です。これは、不動産を相続して、名義を変える時に払うべき税金です。あとは、相続した次の年からかかってくる、固定資産税です。今後毎年払っていくものですから、自分の経済状況で無理がないか、相続前に検討しておくのがよいでしょう。

これ以外にも、場合によっては被相続人の所得税を払う必要も出てきます。故人が、亡くなった年に払っていただろう所得税です。本人に代わって、相続人が準確定申告を行います。すべてのケースで支払いものではありませんので、この点もプロと相談しながら進めていきましょう。

 

突然不幸があった場合、多かれ少なかれみなさん気が動転するものです。普段なら問題なくできるはずの作業も、上手く手につかないということもあるでしょう。なにかある前に、こうして流れを掴んでおくことで、落ち着いて行動ができるはずです。相続税の節税対策などはとくに、早めに始めておいて損はありませんよ。

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