不動産売却前に知りたい!確定申告を税理士に依頼する際の費用と注意点
土地を売却時に確定申告をする場合、申告に必要な手続きを自分で行うか、税理士に依頼するか選択することになります。税理士に依頼する際にどのくらい費用がかかるのか、不安に感じている人もいるでしょう。ここでは、確定申告を依頼するかどうかの判断ポイント、依頼した場合の費用、費用を抑える方法などについてご紹介します。
確定申告を自分でやるか依頼するか判断するポイント
サラリーマンとして企業に雇用されている場合、基本的に確定申告をする必要はありません。そのため、確定申告の経験がない人がほとんどではないでしょうか。不動産を売却する際には、非常に複雑で面倒な確定申告を行わなければならず、期限に間に合わなくなる可能性もあります。
申告が遅れたことによるペナルティも課されますので、注意が必要です。税理士に依頼した場合には、金銭面で負担があるというデメリットがありますが、多くのメリットもありますので判断基準にしてください。
不安やミスを減らせる
今まで経験をしたことがない場合、申請にかなり手間取ってしまうだけでなくミスが発生する可能性もあります。税理士に任せれば、申告漏れによる追加納税のリスクや不安をなくすことができます。
手間が減らせる
確定申告の時期は通常2月中旬から3月中旬頃です。日本の企業の場合、この時期が決算直前の繁忙期にあたることが多く、税務署に行く時間や手間を作ることが難しい人もいます。税理士に依頼すれば、自分で行く必要がないため、負担を減らすことができます。
相談できる
不動産に関することだけでなく、あらゆる税務に関する専門家である税理士に依頼すれば、事業や相続などの税務についても相談できます。
見落としがない
税務に関する法令は毎年のように変わります。最新の特別控除などを見落とすことで、損をしてしまうこともあります。税理士に依頼すれば見落とすことなく正確に申告できます。
確定申告を依頼するとどれくらいの費用がかかるのか
土地を売却するときに発生する、譲渡所得に関する確定申告を依頼する場合の税理士への報酬は、各事務所や譲渡所得の額によって異なります。一般的には10~20万円が相場とされています。
基本的な相場
不動産売却価格が5,000万円以下の場合報酬は約12万円、5,000万円超9,000万円以下の場合15万円以下、9,000万円超1.5億円以下の場合20万円程度となっています。基本的な費用に含まれるものには、資料や書類の作成費用や資料のやり取りにかかる通信費、打ち合わせのための交通費、税務署への申告書提出にかかわる経費などです。
追加費用の発生
特別控除を受ける場合には、基本的な費用に加えて追加費用が発生することがあります。追加費用には、居住用不動産売却に伴う税率軽減適用で1万円、居住用不動産買い換え時の譲渡損失繰越で2万円、居住用不動産買い換え時の譲渡損失の損益通算で3万円、居住用不動産売却3,000万円特例控除で3万円、収用・居住用・特定資産の買い換え特例で8万円などがあります。税理士に確定申告を依頼する場合には、基本的な費用以外に特別控除で追加費用が発生することを覚えておきましょう。
確定申告の依頼費用を抑えるには
税理士に払う報酬は売却益によっても変動がありますが、決して安くない金額です。税理士費用を少しでも安く抑える方法について見ていきましょう。
複数見積もりを取る
一つの税理士事務所にすぐに決めるのではなく、複数所から見積もりをとって金額や内容を精査したうえで選ぶことをおすすめします。報酬は自由に決めることができるため、作業内容が同じでも事務所によって金額は異なります。見積もりを依頼する際には、あとから追加費用が発生しないように、できるだけ具体的な内容を提示して見積もりを取ることが大切です。
経費節約
一般的に税理士が依頼主の下に訪問して作業を行いますが、遠方の場合には交通費がかかってしまうため、出来るだけ事務所には自分から出向きます。また、オンラインで出来る打ち合わせはできるだけオンラインで行い、メールや電話も活用して経費を削減しましょう。
できることは終わらせておく
顧客からの領収書をまとめたり、会計ソフトやエクセルへの費用や出費を入力したり、事前に自分で対応できることは済ませておきましょう。1年分の書類やデータをまとめるのは大変ですが、毎月行う作業として組み込んでしまえば、それほど手間はかかりません。特別控除が受けれられる場合には、必要な書類を揃えておくこともできます。
まとめ
土地を売却する際の確定申告は、売却数が多い場合や複雑な手続きが必要な場合を除いて、それほど大変な作業ではありません。税務署にも相談窓口があるため、気軽に相談に乗ってもらえます。ただ、確定申告自体が初心者にとってはハードルが高い作業であり、税制などに関する知識がなく、不安に感じる人も多いかと思います。まずは自分で申告を行う準備を整えてみて、不安があったり作業をする時間が十分なかったりする場合には、税理士に依頼することを検討しましょう。